日本小児科学会が進める小児医療提供体制の改革

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わが国の小児医療提供体制の構想

Ⅰ)目 的

1. 効率的な小児医療提供体制へ向けての構造改革

  1. 入院小児医療提供体制の集約化
  2. 身近な小児医療の提供は継続
  3. さらに広く小児保健、育児援助、学校保健などの充実

2. 広域医療圏における小児救急体制の整備

  1. 小児時間外診療は24時間、365日をすべての地域小児科医(注1)で担当
  2. 小児領域における3次救命救急医療の整備

3. 労働基準法に準拠した小児科医勤務環境の実現

(注1)「地域小児科医」とは、日常的に一般小児科の診療を担当している医師。小児科認定医、専門医に加えて、いわゆる内科・小児科など小児科標榜医を含む。

Ⅱ)「わが国の小児医療提供体制の構想」

今後形成するべき小児科の型についての合意形成

  • 提供する小児医療を規定している
  • 現在の形態と対応させている
  • 人口規模と対応させている
表1 「わが国の小児医療提供体制の構想」→今後形成するべき小児科の型
日本小児科学会
今後形成を目指す
小児科の型
対象人口
など
提供する小児医療
小児科診療所   一般小児科
地域小児科センターの一次救急に当番参加
一般小児科
(病院)
対象人口は不定 一般小児科
  • 軽症用入院病床を設置し、それ以上は地域小児科センターへ紹介
  • 地域小児科センターの一次救急に当番参加
地域振興小児科
(病院)
対象人口は不定 地理的に孤立し、その地域に不可欠の小児科=他地域の小児科と統廃合が不適当である小児科
  1. 軽症用入院病床を設置し、それ以上は地域小児科センターへ紹介
地域小児科センター (救急型)
人口 30(10-)-50万人
  1. 入院管理体制の整った一般小児科
  2. 小児救急
  • 一次、二次救急
    365日、24時間診療
  • うち一次は市町村(複数共同も含む)の運営で、地域小児科医との共同参加
(NICU型)
人口 30(10-)-50万人
  1. 入院管理体制の整った一般小児科
  2. 小児救急は行わない
(救急+NICU型)
人口 50-100万人
  1. 小児専門医療
  2. 小児保健、育児援助、学校保健など
  3. 小児救急
  • 一次、二次救急(~三次)
    365日、24時間診療
  • 一次は市町村(複数共同も含む)の運営で、地域小児科医との共同参加
  • 救急部がある場合、参加
中核病院 三次医療圏の中心総合病院、又は小児病院等
人口 100-300万人
  1. 小児高度専門医療
  2. 小児救急科
    • 一次は地域小児科医との共同運営
    • 二次、三次救急は小児救急科で感染病室を設置する
      PICUを設置する
    • 救急搬送(入院・転送)
  3. 小児救命救急センターを検討

(注)「地域小児科医」とは、日常的に一般小児科の診療を担当している医師。小児科認定医、専門医に加えて、いわゆる内科・小児科など小児科標榜医を含む。臓器専門医研修中の医師を含む。

 表1の説明

Ⅰ. 病院小児科の種類と定義

1)一般小児科:
  「地域において、小児科診療所と共に、日常的な小児医療・小児保健を実践」

専門性
病院小児科に必要とされるような診断・検査・治療を提供する。勤務医の専門性に応じた臓器専門医療を行う。責任者は小児科専門医であること。
対象患者
直接受診者に加えて、地域の一般医・小児科医からの紹介患者の診療にあたる。
入院診療
軽症と中等症の入院患者の診療を行う。常時監視・治療の必要な患者の診療は実施しない。夜間・休日はオンコールで対応できるような範囲とする。
夜間・休日体制
夜間休日の当直は実施しない。勤務時間内の急病は診療対象とするが、24時間体制の救急医療は実施しない。

2)地域振興小児科:
  「地域振興地域において、小児科診療所と共に、日常的な小児医療・小児保健を
   実践」

専門性 
病院小児科に必要とされるような診断・検査・治療を提供する。勤務医の専門性に応じた臓器専門医療を行う。責任者は小児科専門医であることが望ましい。
対象患者
直接受診者に加えて、地域の一般医・小児科医からの紹介患者の診療にあたる。
入院診療
軽症と中等症の入院患者の診療を行う。常時監視・治療の必要な患者の診療は実施しない。夜間・休日はオンコールで対応できるような範囲とする。
夜間・休日体制
夜間休日の当直は実施しない。勤務時間内の急病は診療対象とするが、24時間体制の救急医療は実施しない。

3)地域小児科センター:
  「二次医療圏において中核的な小児医療・小児保健を実践」

専門性 
病院小児科から紹介される患者に必要とされるような、高度の診断・検査・治療を提供する。勤務医の専門性に応じた臓器専門医療を行う。責任者は小児科専門医であること。
対象患者
主に紹介患者の診療を行う。
入院診療 
一般小児科で入院診療が困難な、あるいは常時監視・治療の必要な患者の入院診療を行う。
夜間・休日体制
夜間休日の医師勤務は夜勤体制が望ましい。少なくとも毎日当直体制とする。
救急医療 
24時間体制の救急医療を実施する。二次救急に中心的役割を果たす。一次救急を実施する。その組織・運営は地域の実情に沿うこととし、勤務医師には医療圏の小児科診療所および病院小児科医師が加わることとする。
教育 
新医師臨床研修制度、小児科専門医研修制度の臨床研修病院となる。医学部学生教育に参画する。

4)中核小児科:
  「三次医療圏において中核的な小児医療・小児保健を実践」

専門性
高度の診断・検査・治療を提供する。地域が必要とする広範囲の臓器専門医療を行う。責任者は小児科専門医であること。
研究体制
研究組織をもつことが望ましい。
医療計画
地域の小児医療・小児保健についての医療計画を策定し推進する中核となる。
対象患者
主に紹介患者の診療を行う。
入院診療
一般小児科ないし地域小児科センターで診療が困難な、高度医療の必要な患者の入院診療を行う。
夜間・休日体制
夜間休日の医師勤務は夜勤体制が望ましい。少なくとも毎日当直体制とする。
救急医療
小児救急科を設置して、24時間体制の救急医療を実施する。三次救急に中心的役割を果たす。一次救急を実施する。その組織・運営は地域の実情に沿うこととし、勤務医師には医療圏の小児科診療所および病院小児科医師が加わることとする。医師救急搬送を実施する。
集中治療室
小児集中治療室PICUを運営することが望ましい。勤務医師は夜勤体制とする。
教育
新医師臨床研修制度、小児科専門医研修制度の臨床研修病院となる。医学部学生教育に参画する。

5) 地域小児科センターと一般小児科、地域振興小児科の連携・交流
  (診療、教育、研究、保健、人事)

  • 「地域小児科センターおよびその地域の一般(地域振興)小児科」をチームと理解し、その地域の小児医療を、チームの医師全体で維持する体制の構築を目指す。つまり二次医療圏内の病院小児科医師は、その地域において小児に求められている診療機能等を、連携・交流しながら完遂する体制を目指す。
  • 小児科・新生児科の専門医研修、新医師臨床研修プログラムを地域小児科センターと病院小児科全体の中で履修できる条件を整える(=小児医療ネットワーク)。
  • 「地域小児科センターおよびその地域の一般(地域振興)小児科」の勤務をローテーションする方式を目指す。
  • 病院勤務医が地域医療圏において小児医療に貢献し続けることが可能なキャリアパスを構築する体制を目指す(下図)

病院小児科配置例
病院小児科配置例

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